妊娠して最初に訪れた試練は悪阻でした。
私の場合投薬や入院するほどではなかったですが、日常生活には支障が出ていました。ほぼ寝たきりで横になっていても辛く、眠りについた時だけがすべてを忘れられる平穏な時間となりました。
しかし、人間1日中眠っていられるわけもなく、起きている間の苦しみは壮絶なものでした。
悪阻の症状や感じ方は人それぞれです。
忍耐力が無いから悪阻が辛いとか、そんな心無い言葉を浴びせてくる人もいるかもしれません。でも辛い物は辛いのです。自分が辛いと思えば、もう無理をせず周りの雑音は全て無視して身体を休めましょう。
この苦しみにはいつか必ず終わりが来ます。
どんなに長くても子どもが産まれるまでの辛抱です。
そんなことを自分に言い聞かせながら、私の場合は約2ヵ月で悪阻が治まりました。
ここでは私が体験した悪阻の症状と対策を書き綴っていきたいと思います。
汚い表現等も出てきますので、苦手な方はご退出ください。
最初の悪阻
高温期21日目に妊娠検査薬で陽性を見る前から、胸焼けのようなムカムカをずっと感じていたのですが、初めて悪阻を実感したのは、病院で胎嚢を確認できた数日後の 5w5dの時でした。
お昼頃から急激に吐き気が増してポテトサラダ一口しか食べられず、悪阻1日目からどうしようもない辛さに襲われてめげそうになりました。
一日中続く吐き気。特に食後の歯磨きの時にうがいをすると、その刺激でオエッともどしそうになりました。
そしてこの日の夜、初リバースを経験します。
流産を経て待望の妊娠での喜びも束の間、この時は悪阻の辛さだけに支配されていました。
次の健診を心待ちに・・・なんてする余裕も無く、安定期はあとどれくらいで訪れるのだろう。そもそも安定期に悪阻は無くなってくれるのだろうか。そんな事ばかり考えてしまっていました。
この妊娠が最後で良い
6wに入り悪阻の症状はスローペースですが確実に悪くなっていきました。
悪阻中は自分世話もままならないので、心にも余裕が持てず、普段は木にならなかったり我慢できるパートナーの言葉や生活態度にイライラすることが増えました。
食べ物、飲物、全てが喉を通らず胃はからっぽ。からっぽのはずなのに吐いてしまうようになりました。
吐き出せるものが無くても胃液が出てくる状態です。
苦しいと感じる時には「この妊娠が無事出産まで行っても、もし継続できなかったとしても、最後にしよう」と思ってしまいました。
楽になれるのはやはり就寝中と吐いた後の5分だけでした。
味や匂いに敏感で、スーパーは地獄のような場所に変わりました。料理も出来ず、水の匂いさえ気持ち悪い日々。
毎日そんな生活を続けるうちに、吐き気を誘発するものの原因を突き止めました。
それはなんと、自分の唾液。
悪阻が始まってから日に日に唾液の量が増えていて、
唾液が出たら飲みこむ
↓
飲みこむ時に空気も飲みこんでしまう
↓
胃が膨らみガフガフしてくる
↓
変なゲップが出てしまう
↓
吐く
となってしまっていたのです。
それが分かってからはペットボトルを持ち歩き、唾液は全てその中へ吐き出すようにしていました。第三者から見たらチビチビと頻繁にお茶を飲んでいるようにしか見えなかったと思いますが、実態はとても汚いものでした。
吐き出すようになってからは、吐き気はあるものの吐かなくなり、食欲も少しだけ回復しました。吐かなくなるだけでこんなに楽なのかと安堵したのを覚えています。
これで安定期まで騙し騙し生きていけると思いました。
しかし、現実はそう甘くありませんでした。
ピークにむかう悪阻の中での試練
6wの後半からペットボトル持ち歩き作戦を継続していましたが、8wにかけてどんどん悪阻の症状が酷くなって行きました。ペットボトル作戦など焼け石に水状態。
そんな中健診を受けに行き、無事に心拍を確認して予定日も確定しました。心拍を確認できた時には嬉しくて嬉しくて、一瞬だけ悪阻の苦痛を忘れることができました。
病院からの帰りに役所へ寄って母子手帳を発行してもらったのですが、悪阻妊婦にとってこの事務手続きは苦痛以外の何物でもありませんでした。病院の受付で発行してくれたらどんなに楽か・・・
帰宅後は横になりこの頃は家事は開店休業状態で、毎日とめどなくリバースしていました。
そんな悪阻ピーク真っ只中で事件が起こりました。
飲み会で夜遅くに帰宅した夫の様子がおかしく、身体を起こして様子を見に行ってみるとトイレとお風呂場で盛大にリバースしていたのです。
泥酔した夫は片づける余裕はもちろんなく、私が片づける羽目になりました。
ただでさえ辛い身体なのに、なんという仕打ち・・・これは一生恨み続けると思います。
収束に向かう
9wに入り、悪阻は時間帯や日によって程度が変わるようになってきました。
この9wというのは前回流産した週数で、俗にいう9週の壁というものを意識する週数でもありました。
悪阻が楽になればまた流産していないか心配でたまらなくなり、辛くなると自分の保身ばかり意識した気持ちが湧いてきます。SNSで繋がっていた多くの悪阻で苦しむプレママさんは、赤ちゃんと「一緒に頑張ろうね」なんて投稿をされている方が多かったですが、私にはそんな寛大な気持ちは芽生えて来ず、母性が欠落しているのではないかと自己嫌悪に陥っていました。
9w1d時点で体重は妊娠前から4kg減少し、毎日フラフラでした。
9w5dで再びの妊婦健診を受けに行き、人生で初めて我が子の心音を聞き、人生で初めて我が子が動いている姿を見ることができました。
病院から帰宅すると、めったに風邪をひかない夫がダウンして早退していました。またまたタイミングが悪すぎる。この日から寝室は夫婦別室にして移されない努力をしましたが、結局うつされました。
妊娠中は風邪薬も飲めないので、風邪は長引き悪阻とともに私の体力を極限まで奪っていきました。
10wに入ると吐き悪阻はだいぶ落ち着き、飲物がたくさん飲めるようになってきました。するとまだ10週だというのに頻尿気味に。相変わらずヨダレ悪阻は継続中でペットボトルは手放せません。
飲食が少しずつできるようになってきたのに、飲食後に口の中がとても苦く感じるようになりました。これは悪阻の一種なのでしょうか。
最後まで居座ったヨダレ悪阻も日を追うごとに唾液の量が減っていき、徐々に徐々に身体が楽になっていきました。そして15w頃までに完全に悪阻が消えていました。
ある日突然悪阻が消えたというタイプではなく、少しずつ消えていくタイプだったようです。
まとめ
私が体験した悪阻は以下の3つでした。
・におい悪阻
・吐き悪阻
・ヨダレ悪阻
5wから始まり8w~10w頃がピークで15wにかけて徐々に快方へ向かいました。
一番辛かったのはヨダレ悪阻ですね。防ぎようが無いので。
結局苦しんだのは2ヵ月間だけでしたが、悪阻中はいつ終わるのか見えないゴールに気持ちがどんどん沈んでいきました。妊娠出産を今思い出しても、この悪阻の時期が一番苦痛でした。悪阻の感じ方は人それぞれですが、とくに奥様が妊娠中の男性陣には最上級の気遣いをお願いしたいです。
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